特別企画

□幸せの星
1ページ/12ページ



有り得ないけど、ありえること…
それは、奇跡…


幸せの星


まだ、望みは全て断たれたわけじゃなかった。
確かに、俺は死んだ。魂は砕け散り、あの魂と一つになった…
しかし、何故か俺の体はここにある。
「高耶、急がないと遅刻するわよ」
名前も、偶然なのかなんなのか、同じ。ただ、周りだけが違う。母親と父親、そして兄、姉、友達…
俺は生きている。

だけど…大切なものが足りない…
それは、唯一、この世界で俺を幸せに出来る人───
直江、お前が…いない…


不思議な事で、力はまだ使える。調伏はしたことはないが、多分、使えるとおもう。
完全にいつもの…魂核異常なんかなかったころの状態の体。
異常は何処にも見当たらない。今までの記憶もきちんとある。しかし、この平和な日常がどうも異常に見える。
「高耶、まだ寝ぼけてないで、学校へ行かないと…」
「わーってるよ。いってきますっ」
普通の、ごく平凡な毎日…確かに、俺は望んでいた。闇戦国もない、普通の日々…
だけど…俺は、それだけじゃ生きていけない。本当に望むのは、ただ一つ───

アイツ、だけだ…
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ