特別企画

□幸せの星
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今までとは違い、ここは戦国時代もなかった北の大地。
たしかに、ここなら他の奴には見つからないし、特に大きな事件などもない。闇戦国関係はノーマークだ。
せっかく生きてるんだからこの生を平凡に過ごしてもいいかと考えてみたけど、やっぱり、頭の中で考えるのは戦いのことだけ。
普通の高校生でいなければいけないのに、すべて放棄して飛んでいきたいと思ってしまう。
皆、どうしてるだろう。今の生を全うしたのだろうか、それとも、残っているのだろうか。
ここは遠すぎて思念波も届かない。一人取り残されたみたいだ。
「はよ、高耶」
方を叩かれた。振り向くと見知った顔がある。
「よう、衛」
兵士 衛、こいつは弥勒菩薩の生まれ変わり。つまり、中身は譲と同じだ。ここでも一緒なのは変わりはない。ただ、向こうはなにも覚えていないみたいだが。
「どうしたんだよ、朝から憂鬱そうな顔して…ここんとこ、ずっとじゃない?」
「そ…うか?」
「なんかあったなら言えよ。お前、いっつも一人で抱え込むからさ」
見抜かれてる…さすが、といえるかもな、こういうトコは。

闇戦国に関わる前の俺達、俺が記憶を無くしてた頃…
そんな当たり前が流れる時だけど…俺の心は晴れない。
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