特別企画

□幸せの星
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それは、奇跡…
砕け散った魂核は不思議な力で寄せ集められた。まるで粘土のように集まって新しく作られた魂、しかし記憶は無くさずに生き続け俺は、あれからかなりの時を誰にも見つからずに平穏を過ごした。
しかし、直江の魂に少し破片が残っていたらしく、記憶が不完全だったものが全て一致した…
「直…江…」
名前を呼ぶと目を丸くして顔を覗き込まれた。
「覚えて…下さったのですか?私の事を…記憶は、あるのですか…?」
「あぁ…覚えている…俺の一回忌とかって千秋が来てくれて、お前、つき合わされてかなり酔っ払って朝までウサギのぬいぐるみ抱えて寝てただろ。」
「っ…高耶さん、感動のシーンなんで、別の事を思い出して下さい…。」
「いや、そのウサギ、俺と同じ名前だからなんとなく思い出しやすくて…」
毎日のように、高耶さん高耶さんってウサギ相手に話し掛け、俺がやだって、名前変えろって言っても聞かずにずっと…
だけど…
『このウサギ、貴方へのプレゼントです。貴方に似て、気の強そうな目とか、そっくりですね…そうだ、貴方の名前をつけましょう。また、あの頃のように二人で抱き合えるように…私が今、ウサギを抱えているように、いつか幸せになるように…』
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