特別企画
□a cat & a dog
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「なんか、猫みたいですね」
そんな風に女性社員が感想を述べると苦笑しつつ幸せそうに
「猫、ですね。まぁ、虎に近いですけど…」
という橘の呟きに、女性たちの間では「取り入る隙間もないほどラブラブ」なんて噂が広まった。
「ねぇ、仰木くんの彼女ってどんなコ?」
大学の講義終了後、帰り支度をしている高耶に同じ学部の女子達が興味深々というように話し掛ける。
「何々、仰木のカノジョ?」
と男子まで割り込んでくる。
「えっ…あ、彼女?」
いる、なんて話したかな?と考えていると
「ほら、この間、告白されてた時に言ったみたいじゃん。彼女いるってさぁ。あ、もしかして嘘?」
「いや、嘘ってわけじゃ…」
「やっぱいるんだー!どんなコ?どんなコ?」
そこまで言われると答えない訳にはいかない。
しかも、高耶は大学一の有名人。彼氏にしたいbP。そんな高耶の事なら皆なんでも知りたがる。高耶はまるで芸能人にでもなったかのような気持ちだ。
「えっと…そうだな…積極的で、褒められたがりで、構ってやらないとたまに落ち込んだり拗ねたり…嫉妬深くてスキンシップ激しくて、記念日とかすぐプレゼントとか欲しがって……あとは…」