おおきく振りかぶって

□キミへのmessage
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『暑いなー』



夏の太陽が容赦なく、西浦ナインを襲う



「なまえ、喉渇いたー」



なまえに声をかけてきたのは、西浦の4番・田島悠一郎



『お疲れ、悠。はい、飲み物だよ』



「サンキュー」



飲み物を受け取り、なまえに抱きついてくる田島



『悠ー、暑いよ』



「んっ、帽子かぶっていないから暑いんだろ?」



田島は笑いながら、そう言って自分の帽子をなまえにかぶせる



『ゆ…う?』



「それ、かぶっとけ」



『えっ…でも、悠が倒れちゃう!!』



焦っているなまえに、田島は笑いながら、



「オレ、太陽なんかにやられないから、ゲンミツに!!」



と、笑顔で言って


また、練習に戻って行った



『悠…ありがと』



小さくお礼を言って、ぼさぼさになった頭を整えるために、田島の帽子を手に取る



『もう、悠ったら…髪の毛ぼさぼさだよ…んっ?』



帽子のつばの裏…


黒のマジックペンでなにか、書かれている



『ゆ、う…』



なまえは思わず、涙が一滴、零れた


なまえは涙を拭き、自分の帽子を取りに行く



『帽子、ぼう…あっ、あった!!』



なまえは帽子を見つけると、近くにあったマジックペンで文字を書いていく



『よしっ…と。早く悠に渡さなくちゃ』



なまえは立ち上がると、田島のもとに行く



『悠ー、帽子ありがとう!!』



「おぉー」



なまえは田島に帽子を返して、戻っていった



「んっ?」



「どーした、田島?」



田島の小さな変化に気づいた泉が彼に問う



「これ、オレの帽子じゃねぇーぞ」



そう言った、田島の顔は、とても幸せそうだった





"ゲンミツになまえを甲子園に連れて行く!!"





"悠、私を甲子園に絶対、連れて行ってね!!"





(なまえー、帽子違ってるぞ!!)

(えっー!!もしかして、気づいた?)

(当たり前だろ!!すんげー、嬉しかった!!)

(私も嬉しかったよ、悠)

(ゲンミツにつれていくから!!)




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