novel

□夢なら醒めて、今を生きるから…。
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「はい。」
その少女は私に持っていた花輪を差し出す。「あなたはそこにある教会の中の棺にそれを置くの。」
「え…?どうして…?」
「それがあなたの仕事だから。」
そう言うと少女は姿を消してしまう。
わけがわからず手に持っている花輪を見る。何故か他のお墓にかけてある花輪には華美ではないが色とりどりの花が使われているのにこの花輪は白い薔薇だけで作ってある。
不思議におもいながらも足は自然に教会へ向かう。





教会に入ると一番奥の祭壇に確かに棺が一つだけ置かれている。
恐る恐る近づくと棺の蓋が開いていた…。何か嫌な予感がして棺を覗くと…。




「ネウロ…?!」
そこには綺麗に死化粧を施されたかのように美しい魔人の体。
「嘘だよ…ね?」
動揺で手が震えてネウロの体の上に白い薔薇の花輪を落としてしまう。
すると白かった薔薇がネウロの血で赤い薔薇になる。
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