novel

□夢なら醒めて、今を生きるから…。
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「…ヤコ。ヤコ。」
はっと目を覚ませば、そこには秀麗な魔人の顔。
私は考えるより先に体が動いて、自分の腕をネウロの首に回す。ネウロの存在を確かめる為に必死にしがみつく…。
すると何も言わずネウロが私を抱えて自分の膝に乗せてゆっくり優しく頭を撫でてくれる…。
暫くすると、
「またどうせくだらぬ夢でも見たのだろう…?」
と聞いてくる。
ふるふると首を横に振ると、
「ではどうした…?何を必死になっている…?」
そんな事、言えるわけがない。嫌だから、現実になって欲しくないから、恐いから。夢のように花を供えるなんて私には出来ないよ…。
そう考えると涙が止まらない。ネウロのスーツの肩口を濡らしてしまう。
するとはぁという軽いため息が耳元に聞こえてくる。
「やはり、くだらぬ夢を見たのではないか。」
私はただただ首を横に振りながらネウロにしがみつく。
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