novel

□優しい君が酷く痛くて…。
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そうしてネウロは何処かに消えてしまった。そんな事にはお構い無しに私は料理を食べ続けた。



「桂木さん?」
「ふぇ…?」
みると凄く見立てのいいスーツを着たネウロと同じくらいの歳に見える一人の青年が立っていた。
「名探偵桂木弥子先生だよね?はい、コレ。食べてばかりじゃ喉乾くでしょ?」
「あ…有難うございます…。」
綺麗なピンク色の飲み物を私はコクリと飲み干す。口当たりがよく飲みやすい。
「桂木さんとは前からお会いしたいと思っていたんです。」
「え…?」
なんだろう…?
頭がぼうっとする。
「随分とお可愛いらしい…。」
視界が軽く霞む。
支えるように手を差しのべようとしてくる青年。
そこに…。
「先生。頬に料理がついていますよ?あれ程綺麗に行儀よく食べて下さいと言ったのに…。」
そう言って私の頬をペロリと舐めてくる。
「ね…ねうろ…?」
既に私の呂律が怪しくなってきた。
後ろからぐいっと抱きしめられ、頭の上に顎を置かれる。
「貴方も、未成年の先生にお酒を差し出すとは…何か良からぬことを考えていたのですか…?」
「く…。」
「先生は僕の物です。手出しは許さない。」そこまで聞いて私は意識を失った…。







「う………ん。」
目を開けると見えるのは事務所の天井。
「気が付いたか。」
「頭……痛い。」
するとネウロが私に近づき、顔を近づけてくる。
「ん…………。」
突然の口付け。
「んんっ……。」
口の中に冷たい…水が流しこまれる。
コクリコクリと私はそれを飲み干す。
「ね…う…。」
なかなか離されない唇…。
激しく、長く、甘く。「は……。」
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