novel

□夏空を彩るは一瞬の夢などではなくて・・・。
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「ネウロ・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・怒ってる・・・?」
「何故そう思う?」
「なぜって・・・・じゃあさっきの男の人の耳元で何ささやいてたの?聞いた瞬間、脱兎の如く逃げていったけど・・・。」
「さあな。」
「もー・・・。」
「それより肝心の花火はいつから始まるのだ?」
「あ、それなんだけど。これからちょっと歩かない?少し行ったところに神社があるの。」









「前に来た時に見つけたんだ。小さいからあんまり人も来ないし。」
「・・・・・・。」
「ネウロ?」
「手をだせ。」
「え?」

ぐい、と腕をひかれて手をつかまれる。
「ネウロ?」

花火開始のアナウンスが鳴る。
「あ・・・始まるよ。」
「そうだな。」

暗い闇の中、空に大輪の花が咲き乱れる。
「どうしたの、って・・・ネウロ!?」

指、
掌、
爪、
甲、
全てを丹念に舐められる。
「ネウロ!?なっ・・・何を・・。」

「あの男に・・・触らせただろう?」
「え・・・?んんっ・・!!」

突然境内に押し倒される。

「ね・・・ねうろ・・・んっ。」
「あの男と口をきいただろう?」



空を彩る美しき花は一瞬で散りゆく。

人間もまた然り。

だが・・・この小さき花を大輪へと育てるのは・・・。

「ねうろ?」


「貴様は我が輩のものだ。」

「うん・・・ごめんね・・・。」
「誰も触れることは許さん。」
「うん・・・。」
「我輩だけがそれを許される。」

「うん・・・。私も・・・ネウロ以外に触られたくないよ・・・。」



そうして少女は花が咲くようにふっと笑った・・・。
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