novel
□世界を動かす時計を持つのが君ならば僕は君を追いかけるよ
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「つ・・・・疲れた。」
「なんだヤコ?もうひからびてきたのか?」
「なに塩かけてんのっ!」
ゆっくりと開かれる事務所の扉。
全ての始まりの場所。
何もかもがそのままに残してあり、ここだけは刻がとまっていたかのような。
まるで帰ってくるのを待っていたかのように。
「・・・・・・懐かしいな。」
そう呟けば少し驚いたような顔。
しかしそれはすぐに微笑みに変わる。
「・・・・・そうだね。」
正面に構えるトロイへと足を向ける。
時計の針が動き出す。
全ての歯車をのせて。
「さあ、目覚めの時間だ。」
腰をおろし、足を組む。
しっくりと「馴染む」感覚。
「ネウロ。」
すぐ目の前には笑みを浮かべた「少女」
「おかえり。」
その笑顔は3年前と変わらず鮮やかで。
そう感じた瞬間に腕が自然に伸びていた。