過去へのトビラ。

□暗い少女
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涼野宮 茜(16)高校生。

夜の安アパートの小さな電灯の前に居るのは、その少女、茜。三階のベランダからだとやはり安くても高い場所。

「決めたんだから…。」

そっと目の前の黒いドアを見つめる。
K-218号室…。

インターホンを鳴らし、二、三秒待った。

ドッターン!!

急に何かが倒れる音がし、思わずビクつく。

『ちょっ!お前等、何してんだよ!』

『行かないでおくれぇ、林ぅぅ…。また押し売りとかだったら俺、どーしたらいーのぉ…?』

『だから俺が今行くんだろ!おい、瑠衣!テメー、餅食ってねーでなんとかしろ!』

『おいしいよ〜?林もたべるぅ?』

『んな事聞いてねっつの!おい!離せっつの!』

ドタバタという音と声しか聞こえないため、何がなんだか分からなくなり混乱する茜。

バタン!

やっとドアが開き、明るい光が入る。

セーターにジーパンの男の子と、その足にまとわりつく同じくセーターにジーパンの男の子、そして奥でお餅を食べる男の子…。

『あ、どうも。「過去変え屋」です。』
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