過去へのトビラ。
□日常的な何か
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ルイは、勉強も運動も出来ないが、パソコンでの情報収集能力が高い。
ルイは時々、他のパソコンにハッキングして遊ぶ事がよくある。データをとったりするのは依頼の時ぐらいしかないが。
他のパソコンにちょっとだけハッキングして、ちょっと遊んで帰ってくる。
証拠なんて一切残らない。
その他にも、性格に見合わず無類の機械類好きだ。
壊れた玩具や電子機器などは結構ルイに頼めば直してくれる。
中学入学当初、クラスメイトが誤って壊してしまった先生のノートパソコンがあった。
誰しもが最悪弁償だろうな、と思っていた。
しかしルイは、技術室から借りてきたドラバー一本と手のみで直した。
先生は全く気づかなかった。
という伝説がある。
ある日、そのルイと、イムとリョウが廊下を歩いている時だ。
チヅルは今、クラスの女子とお喋り中につき、居ない。
「ルイ君だね?」
と、呼び止められた。
ルイがゆーっくりと振り返ると、眼鏡をかけた黒髪のパッとしない男子が立っていた。
『うんー?』
ルイが首を傾げると、そのパッとしない彼は、眼鏡をキザったらしくクイっと位置修正。
カミヨシ
『生徒会副会長の神吉先輩じゃないですか。』
『ああー。あのパッとしない。』
『あぁ〜。あのパッとしない人。』
「パッとしないとか失礼だと思わないのかね?!」
マサヨシ
眼鏡をクイクイと位置修正しながらツッコんでくるのは、パッとしない神吉正義生徒会副会長だ。
「君達には用はない、用があるのはルイ君なのだ。」
『(…のだ?)』
『僕?』
副会長がルイを指差す。
何時に無く、好戦的な目だ。
「君は機械類、パソコンに詳しいと聞く。ドライバー一本でノートパソコンを復活させただの、三十年前の玩具を完璧に直しただの、様々な噂を聴くが…。」
多分それ全部本当の話ですよ、副会長。
「この僕より上が居るのはありえない!それを証明するために、この僕と勝負をしろ!」
一方通行で何がなんだか。
『いいよ〜。』
しかもあっさりOK。
「ふふふ…では今からコンピュータ室で勝負だ。」
『おっけー。』
何これ。何この人。何この展開。
めんどうくせー。
『一応付いていくか。』
『…だな。』