過去へのトビラ。
□バア
1ページ/6ページ
季節は、梅雨を迎えていた。
毎日の様に続く雨、雨、雨雨雨雨。
「寝苦しいわぁー。」
「おやお早う。いや、遅ようかな?」
「どっちでもいいわよー。あー。頭ガンガンするわー。お水頂戴。」
「はいよ。」
二十歳前後の男女…椿と薔薇。
椿は既に用意してあったのかさっと薔薇に水を差し出す。
「そうそう、久しぶりに百合バアに休暇が入ったんだってさ。今日来るって。」
「へぇ〜。ああ、そういえば、イム達には会うのかしら?」
「さぁ?知らない。…イム達は覚えてないだろうなぁ。何せ、最後に会ったのは赤ちゃんの頃だもの。」
.