過去へのトビラ。
□潰れる会社
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そしてお昼時。三人で開放された屋上に上がり、そしてイムの作った弁当を広げる。
『頂きます。』
手を合わせて食べ始める。
『イムぅ、今日は依頼者来るかな?』
『来そうな予感はする。』
・・
『視てみれば?』
『そこまでしなくても良い。』
『今日はリョウ、バイトの日ぃ?』
『ああ。今日はな。』
『じゃぁ一緒にゲームできないねぇー。』
『明日やってやるよ。』
そして食べ終わった三人は、屋上を降りた。そして、薄暗い階段を下りて、一年教室に向かった。
『そうだ、今日の晩飯、何が良い?』
『んー?僕はぁ、磯辺巻きがいいなぁ。』
『俺は何だってオーケー。』
『分かった。』
そして午後の授業を終え、生徒は部活動に勤しむ時間になる。しかし、三人にそんな余裕はないので、三人とも帰宅部。
『ふぁー…かったるいなぁー…。』
『難しい言葉使ってるよねぇー。中学校の先生って。゙ぶんせーへんか"とがぶんりへんか"とか。何かのお菓子の名前かなぁ?』
『ぶんせいじゃなくて物性。物性変化。あとぶんりじゃなくて物理な。』
『そぉーなんだぁー。イム、頭良いー。』
三人が校門に着く。すると、一人の男性が、駆け寄ってきた。ヨレヨレの青い背広を着て、髪の毛は角刈りで白髪が混じっている。
「あのぉ…。」
そう言って、その人が話しかけてきた。
「これを見たんですが…。もしかして…。」
三人の目の前にその人が出したのは、一枚の紙。その紙には、過去変え屋と大きくかかれていた。そして、下には小さい文字で「あなたの消したい過去はありませんか?ご相談にのります。過去を変えて差し上げましょう。」と書いてあった。
更にその下にはリョウが描いた三人の絵。上手いとは言いがたい…。
『客?』
『そーだな。』
オドオドとその紙を揺らしているその人。
『とりあえず、僕等の家へ。』
四人でぼちぼちと歩き、家へと向かった。