駄文2

□子供の領分〜太陽〜
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太陽


眩しくて


眩しくて


恋こがれるもの


あまりに強すぎるから


誰も手にすることが出来ない存在

僕にとって、茅野はそんな存在だった。

「行けぇ茅野ぉー」

「ディフェンス!何やってるんだ!!」

校庭の半分を使って、サッカー部がミニゲームをしていた。

僕は、柔軟の途中なのに、すっかり彼に…見とれていた。

抜群のボールさばきのテクニック。

シャープで切れのある動き。

果敢に攻めていく強気な笑み。

引きつけられて、離れられない。

いつから、こんな思いを抱いたのだろうか。

きっと叶うことは、ないのだろう。

そんなのは、初めから分かってて―恋をした。

ゴールが決まり、歓声が上がる。

アーモンド型の目が印象的な勝気な顔が、無邪気な子供のようになって喜びあっている。

あの笑顔を、僕だけのものに出来たらいいのに…

欲しくてたまらない。

でも、それを手にしている人が…いる。

強烈な嫉妬心

彼にとって僕が

あの人を越える存在にならないと

僕の願いは叶わないだろう

「小林ぃ、見たか!!」

よっぽど嬉しかったのだろう。

片手をあげて、僕に満面の笑みを浮かべてくれた。

僕は手を振りかえす。

この時だけは、僕だけの笑顔だから

時間よ


止まれ
 

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