駄文2

□風邪大騒動
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「あっ、雪だ」
寒空の中、誰かが呟いた
下駄箱に靴を入れながら、広海が外を見ると雪がちらついていた。
傘なんて用意もない
ったく、マジかよ…
「ああ、降ってるね。通りで寒いと思った」
椎名は、言いながら折りたたみの傘を取り出した。
「茅野、一緒に使う?」
「いいよ、いらない。チャリだし、まだちらついてるくらいだから、どうにかなるだろ」「そんなこと言って、風引くなよ」
「そんなにヤワじゃねぇよ」
「たまには、茅野と合い傘も良いと思ったんだけどな」
少し残念そうな椎名に、茅野は眉を寄せた
「はぁ?男と合い傘なんて、楽しくないだろうが」
「そう?茅野となら、楽しいと思うけどな」
にっこり笑う椎名に、広海は、溜め息をつく。
椎名…小林に似てきたんじゃないか?

昇降口に椎名を待たせると、広海は、走って自転車を取りにいった
嫌がる茅野を無理矢理傘に入れながら、二人はいつものように連れだって下校した。
生徒達がぎょっとして二人を見ている
「じゃあな」
「本当に風邪ひくなよ。インフルエンザ流行ってるし」
椎名の言葉に、自転車をこぎ始めた広海は、右手だけ挙げて答えた。
「本当に平気かな…」
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