駄文2

□至福の言葉
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授業終了のチャイムが鳴る
クラス中が休み時間だと浮かれる中、ふと隣に誰かが立つ気配。
見上げると、教材を抱えた茅野がいた
「ちょっと待っててね」
「ああ。」
次は移動教室。
いちいち教材を持って移動は面倒だけど、俺にとっては嬉しい時間だったりする
2年になって、一番嬉しかった事は何かと言われたら、迷わずこう言うと思う。

茅野と二人きりで同じクラスになれた事
小林や新田には悪いけど、茅野の隣に立って歩くのは俺だけだと思うと自然と笑みが溢れてしまう。
話しは、なんとなく昨日の日曜の話しになった
「この間の日曜に、また茅野サッカーの応援に行ったんだっけ?」
「ああ。そうだけど」
「どうだった?」
噂の出処はサッカー部だろうが、硬派の茅野が、ありえないくらいの笑顔で川島と話していたと言うんだから気にはなる
「よかったぜ。こう、なんつうか…血が騒ぐってやつ。昔の仲間もいてさ…」
川島が…
青木が…
緒方が、高坂が…
話しだした茅野は、いつになく饒舌で、生き生きしている
驚くほど嬉しそうに話す茅野の意外な一面が見れて良かった反面、茅野にそんな顔をさせる彼らが羨ましい
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