Yuki's Love Story
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眠りの淵に咲く花*after
(ルカ×夕月SSS)
「ユキ...」
ベッドに乗り上げたルカは、すやすやと寝息を零す夕月の顔の両サイドに手をついた。
真上から見下ろした、あどけない寝顔に愛しさが溢れ、鼻先に掠めるだけのキスを施すと睫毛がふるりと震え、朧げな視線が宙を彷徨う。
その瞳がルカを捉えると舌足らずな声が零れた。
「......ル、カ...?」
未だ夢の中のような、ふわふわとした呼びかけにルカは口許に薄く笑みを浮かべた。
「ユキ」
滑らかな頬にキスを落とせば夕月は「ふふっ」と、はにかんで甘い言葉を口にする。
「ルカ...もっと、...」
夕月がこんなふうにキスを強請ってくるのは初めてで、ルカは軽く目を見張った。
おそらく寝惚けているのだろうけれど、なんとも言い難い幸福感が胸の内に広がっていく。
「もっと...、何が欲しい?」
ルカの囁きに夕月は目元を薄ら染めながら、ふにゃりと笑った。
「もっと、いっぱい...キスをして?」
「わかった...」
――あげるよ、お前になら何もかも全てを。
2011.3.5@甘えた夕月たんが書きたかっただけw