Yuki's Love Story

□それはまるで呪いのように
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どんなに言葉を重ねても君へは届かないだろう。
この胸の内に隠された想いは膨らむばかりだというのに。
いっそのこと告白してみようかと思ったことも一度や二度ではない。
けれど一方的な想いで夕月を苦しめるなんて出来ないと躊躇する。
夕月が大事だからこそ、笑顔を曇らせたくはなかった。


「奏多さん、そろそろ帰りますね」

「あ、ああ。そうかもうこんな時間か」


いつのまにか窓の外から射し込んでいた夕陽が室内をオレンジ色に染め上げ、
勉強道具を鞄に仕舞い込んでいる夕月の横顔をも照らしていた。

綺麗だ、と思わず息を呑む。
本当にどうしようもないくらい夕月の全てが心をかき乱し、切なさが増していく。


「...奏多さん?」

知らず顔を歪めていたのか、心配そうな夕月の声音にハッとする。


「いや、...眩しいなと思って」

「そうですね、今日はとっても綺麗な夕焼けですね」


くるりと振り返って窓から夕陽を眺める夕月。


こんなにも近くにいるのに、君が遠くて...。

密やかな想いが胸中で溢れ出した。


――好きだ、好きだ、愛してる。



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2012.0405@リハビリSS

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