Yuki's Love Story

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*続いたw
*前回にも増して酷い出来...。




.........え。
......え?
ええぇえええ?!!


なんだこの神展開はーーっ!
頭の中に夕月のセリフがリフレインする。

『焔椎真君もアイス食べます?』×10

夕月の背後に後光すら見えて焔椎真は感動のあまり眩暈を覚えた。
今日は厄日だと思っていたのに大どんでん返しが来たことに動揺を隠せない。
ドッドッドッと煩く鳴る心臓の音を聴きながら夕月が差し出したアイスの乗ったスプーンを見つめる。

本当にいいんだよな?と確認のつもりで夕月を窺えば「早く食べて」(幻聴)と言わんばかりに、にこにこと笑っている。
ここで応えなきゃ男が廃るぜ!と妙な意気込みを持ってパクリと口に含んだ。

「美味しいですか?」

夕月がキラキラした瞳で訊いてくるが正直、味わう余裕なんてなかった。

――夕月と間接キス、夕月と間接キス、夕月と間接キ...(以下略)

今、焔椎真の脳内を占めているのはそれだけだった。
言葉もなく繰り人形のように首を縦に振ると、夕月は満足したのか嬉しそうに微笑んで、また一口アイスを食べ始めた。
あの小さな口に含まれたスプーンが自分の口に...。
今更ながらにスゴいことをしたというのを自覚し出して顔に熱が逆上ってゆく。
せっかく引いた汗が噴き出してくるのを感じるが、拭う間もなくそれは一瞬の内に凍らされた。
あ...、ヤべぇ。
気づけば向かいと隣の席から局地的なブリザードが吹き荒れていた。
店内の冷房なんて可愛いもので身を刺すような冷気が渦巻いている。


「焔椎真って甘いモノ苦手じゃなかったっけ?」

えーと、愁生サン?何ですか、その恐ろしい微笑みは。
目が少しも笑ってないんですけど...。

「!焔椎真君、甘いモノ苦手だったんですか?それなのに僕、無理やり...ごめんなさいっ!」
「違っ!苦手だけど夕月(が食べさせてくれた)のは美味かったんだ!」
「?......あ、やっぱり!ここのアイスは美味しいですよね!あっさりしてるから苦手な人でも食べられるのかな?」

夕月が天然で素直で助かったと息を吐く。
全く愁生は余計なことを〜と隣を睨むが彼はすでに夕月に話しかけていた。

切り替え早ぇー!


「俺も、甘いの苦手なんだけど克服できるかな?」
「きっと大丈夫ですよ!焔椎真君も平気でしたから!さぁどうぞ」

いやいや、なんでそんな深刻な話になってんの?
もう普通にアイス注文すればよくね?
焔椎真はどっと疲れを感じてストローをガシガシと噛みながら胡乱な目で二人のやり取りを眺める。

「本当だ、美味しいね」
「良かったです!これで愁生君も克服できましたね!」

うん、夕月が可愛くて俺も良かったー。じゃなくて、夕月からのアイス「あ〜ん」は、俺だけの甘酸っぱい思い出になるはずだったのに!くそっ!


「ユキ」
「ん?...そうだ!甘いのダメなルカもこれなら食べられるかも!」
「いや、俺はすでに平気だ」
「え?そうだった?いつのまに...――っふ、...ぁ、...」

どぇえええええ!!
ちょっ!ルカとか言う奴!何してんだよ!?
ここ普通の喫茶店ですから!
なんでいきなり夕月にキスしてんだよ!
しかもあれ舌入ってるし!


「しゅ、愁生、あれ...」

あまりの展開にギギギッと首を横に向ければ、ずーんと暗い靄で覆われた愁生がいた。
え、もうすでに鬱モード?
そうこうしている内に口づけは終わったようで、解放された夕月が顔を真っ赤にして息を整えていた。

「ユキ、悪い。つい夢中になってしまった」
「う〜......」
「だが、再認識は出来た」
「?」
「どんなに甘いモノでも、ユキの甘さには適わない」






「............。」

「焔椎真...」
「なんだ...」
「帰ったら作戦会議な...」
「了解...」

そんなこんなで俺たちは打倒ルカ・クロスゼリアを固く誓ったのだった。
喫茶店の片隅で......。


end.
2012.0629@鉄壁カプに惨敗の巻w

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