Yuki's Love Story

□太陽と青空と
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ルカが天白の車で迎えに来た日の翌日、学園は大きな騒ぎとなっていた。

「祇王くん!昨日の美形の彼、一体だれなの?」
「すっごくカッコいいよね!祇王くんの知り合い?」
「ね!ね!紹介してよ〜」

登校して早々、矢継ぎ早に質問を浴びせられ、どう返そうかあたふたしている夕月に助け舟を出したのは焔椎真だった。


「お前ら、朝っぱらから鬱陶しいぞ!」

「何よー蓮城には聞いてないでしょ」

「あーうるせぇ!行くぞ夕月!」

「え?焔椎真くん、授業始まっちゃいますよ?あっ...」

ガシッと腕を掴まれて、有無を言わさず教室の外へと連れ出される。
非難の声を上げる女子たちには目もくれず、ずんずんと歩き出す焔椎真に腕を引かれながら辿り着いた先は屋上だった。


「ここって立入禁止のはずじゃあ...」

「細かいことは気にすんなって!」

勝手知ったるふうに壊れた鍵を開けて、扉を開いた彼の背中の向こうには雲一つない青空が広がっていた。


「かぁーっ!やっぱいい天気だぜ」

「本当だ...、風が気持ちいいですね」

「よしっ!寝るかっ!」

「えぇっ?」

ごろんとその場に寝転がってしまった焔椎真に驚いていると、彼は自分の隣のスペースを指し示す。

「ほら、夕月も寝ろ」

「ええっと...じゃあ少しだけ」

断るのも悪いなと思い、同じように寝転がる。
見上げた空はやはりどこまでも青くて心が洗われるようだった。

「どうだ?気持ちいーだろ」

「はい、すごく!」

夕月が横を向いて微笑めば、彼もちらりと視線を寄越してから空を仰ぎ見て手のひらを太陽に翳す。


「俺...あいつ、ルカみてぇに強くないけど、夕月を守るから......必ず」

誓いにも似たそれに夕月は嬉しさでいっぱいになる。
義務感ではなく、本心からそう言ってくれているのが分かるから。

「ありがとう、焔椎真くん」

「別に...つか、何言ってんだ俺...ガラじゃねぇ」

照れくさそうに呟いた彼の優しい想いが伝わってくる。
その日、二人で見上げた抜けるような青空を夕月は胸に刻んだ。



end.
2008.9.13@ツンデレ焔椎真かわいくて好きですw

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