Yuki's Love Story
□PLEDGE
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物心ついた頃、院長先生から朝陽院で育った経緯を聞かされた。
君は捨てられていたんだ、と...。
――悲しかった。
僕は要らない子だったんだと、心が痛かったのを覚えている。
僕が生まれて、ここに存在する意味ってなんだろう?
あの日から――
ずっと、ずっと、
答えを探していた。
そうしていなければ、心が押しつぶされそうだったから...。
†PLEDGE†
目覚めたのは自分に宛てがわれた部屋の中。
瞼を押し上げて、見慣れない天井にここは何処だろう?
と、ぼんやり思ったのも束の間。
昨日、黄昏館に来たことを思い出す。
新しく出会ったツヴァイルトの愁生くんと焔椎真くん。
彼らとも早く打ち解けられたらいいなと期待を込めて。
祈るようにもう一度、瞳を閉じた。
悪魔と戦っていくことに不安はあるけれど、共に戦うツヴァイルトのみんながいるから心強くて。
そして何よりも...。
脳裏に浮かんだルカの姿に、じわりと安堵感が広がっていく。
深呼吸をしてから瞳をゆっくり開くと、知らず笑みが零れた。
よし、と。
軽く伸びをしてベッドを降りる。
いつもの習慣で早めに目が覚めてしまったらしい。
それならばと、手早く着替えを済ませて夕月は部屋を後にした。
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