Yuki's Love Story
□PLEDGE
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一瞬、何が起こっているのか分からなかった。
でも、暖かいぬくもりと背中に回された腕の強さに、抱きしめられているんだと数秒後に理解した...。
...理解したけれど。
「...えと...ルカ?」
「......すまない、少しだけ...」
耳元で囁かれた彼の声が寂しそうに響いて、僕は動けなかった。
初めて出会った時から、いつも僕を守ってくれた強く優しい人。
ルカの腕の中は何故かひどく落ち着いた。
ドクンと一つ、心臓が大きく高鳴る。
そこから徐々に鼓動が早い音を刻み出す。
切ないような、でもどこか心地いい、不思議な感情に戸惑う。
(なんだろう...?クラクラする?)
眩暈のようで、でも不快感は全く感じない。
経験したことのない感覚に困惑して、縋るようにルカの背に縋った。
「ユキ...」
熱い吐息と共に吐き出された名前に眩暈が激しさを増していく。
(本当にどうしたんだろう、僕...)
どれくらい抱きしめられていたのか分からないけれど、ふわりと頭に手を置かれて顔を上げれば、ルカの銀の瞳に惹き付けられた。
一見、変わらないように見えるものの、その瞳は痛みを伴っていて...。
「ルカ...?」
「...すまなかった」
そっと離される体に急激に寂しさを覚えた。
同時に切なさも...。
――寂しい?
そうか、僕は寂しかったんだ。
だから抱きしめられて、すごく安心できた。
だとしたら、ルカも何か寂しいことがあったのかも知れない。
「あのっ、謝らないでください!僕、嬉しかったです!ルカに抱きしめられて嬉しかったんです!!」
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