Yuki's Love Story

□熱量メーター
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「やぁ、夕月。元気だったかい?」

「天白さんっ、お帰りなさい」

「ただいま」

黄昏館の庭先を散策していた夕月の前に久しぶりに姿を見せた天白は、はにかむ夕月に目尻を下げて両手を広げた。

「さぁ、私の胸に飛び込んでおいで!」

「えっ!えと...」

「...おい、そこの変態」

「おや?ルカも居たのか。しかし変態とは心外だね。大事なスキンシップだというのに」

「ユキに触るな」

陽の当たらない影から、ルカは不機嫌そうに歩み寄ってくる。
夕月との二人きりの時間を邪魔した男が祇王一族の総帥たる人物であろうともルカには関係なかった。
バチバチと火花を散らす二人に険悪なムードを感じとった夕月は、殊更明るく話題変換を試みた。

「た、天白さん、今回はいつまでこちらに居られるんですか?」

「ん〜残念だが、すぐにでも戻らなくてはならなくてね」

「そうなんですか...お忙しいんですね...」

見るからに寂しそうにする夕月が可愛らしくて、その小さな頭を撫でてやりながら天白は続ける。

「今日は大事な用があってね、それだけを済ませようと戻ってきたんだ」

「大事な用って...何かあったんですか?」

「レイガに動きでもあったのか?」

ルカも天白のいつにない真剣な様子に耳を傾ける。

「...いや、それよりも事は重大かつ緊急を要する」

「え!」

「夕月...ここへおいで」

ぐいっと手を引かれた夕月は天白の腕の中に抱き寄せられた。
突然のことに夕月は戸惑いながらも天白を仰ぎ見る。

「あっ、あの??」

「おい。一体なんの真似だ、タカシロ」


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