Yuki's Love Story

□マドリガル
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『奏多さんは僕の永遠の憧れです』



夕月が奏多と幼少期に過ごした思い出を、訥々と語るのを黙って見守っていたルカだったが、ふいに零された言葉に胸の裡をじりりと熱が駆け巡った。

この焼け付く熱が何かは自覚している。
前世でユキと出会い、芽生えた感情だったから。

誰の目にもユキを触れさせたくはない。
盲目なまでの執着は、あの頃からずっと続いている。

それ故にレイガ―元は若宮奏多と言う人間であった男。
夕月と共に育ったと言っても過言ではないほどの、長い年月を夕月の傍で過ごした男にルカは少なからず嫉妬を覚えたのだ。

夕月のことになると感情が乱れ、上手く制御できなくなる。

奏多との過去を懐かしむ夕月の意識を自分に向けさせたくて、ルカは夕月の髪をふわりと撫でた。
そうすれば猫のように、すりと頬を寄せてくる彼が愛おしくて堪らなかった。

その仕種に体の奥底に燻っていた熱が広がっていく。


――ユキを自分だけのモノにしたい...。

夕月と再会してから、ずっと閉じていた想いを自分から開ける気などなかった。
けれど、急激に膨れ上がった独占欲は収まることを知らず、ルカは本能のままに両手で夕月の小さな顔をそっと包み込む。

「ルカ?」

ぱちぱちと瞬きをする夕月は不思議そうに見つめるばかりで、色恋に不慣れな様子が見てとれた。
純真な夕月をこの手で穢すのは躊躇われたが、それでも欲しかった。
手に入れたかった。

この世で、たった一つの大切なモノ...。


「ユキ...これから俺がすることを不快に思ったのなら、拒否してくれて構わない」

「?」

「...これは俺の勝手だから」

もはや止める術はなかった...。
止められるとすれば、夕月からの拒絶だけだっただろう。

夕月の長い睫毛に縁取られた無垢な瞳が綺麗で、吸い込まれそうな錯覚に陥りながらルカは身を屈めた。


「ユキ」

愛しさを乗せて名を紡ぐと、夕月の小さな唇をそっと塞いだ。


「!っ......んっ、」

夕月は刹那、驚きに瞳を見開いたものの抵抗は見せず、やがて静かに瞼を閉じていき、ルカからのキスを甘受する。

ぎこちなくシャツを掴む手も、きゅっと瞑られた目も、なにもかもが愛しくて。
ルカは堪らず口づけを深くしていった。

「ふっ......んぅ...」

ルカの薄い舌が歯列をなぞり、口腔に割り入ってくると夕月はびくりと舌を奥へと縮こまらせた。
その後を追うようにルカの舌がぬるりと夕月の舌を絡めとる。

「んんっ...ふぅっ...」

息苦しさを覚えたのか夕月がそろりと涙に濡れた目を薄く開けば、ルカは熱い視線でそれを迎えた。
そして、たっぷりと堪能した唇を解放すると、夕月は熱い吐息を吐きながら、とろんとした瞳でルカを見上げる。
赤く染まったなだらかな頬に一筋の涙が滑り落ちて、きらりと光る雫をルカが舐めとった。

「...っ、...」

体の力が抜けて、がくりと膝が崩れ落ちそうになった夕月はルカに腰を支えられ、そのまま軽々と抱き上げられて豪奢な天蓋ベッドに横たえられる。
そしてルカも、夕月に覆いかぶさるようにベッドへと乗り上げた。


ただ、優しく穏やかな感情ではなくて。

それよりも深くて強い感情。


その言葉をルカは口にする。

「ユキ、愛してる」

「ル..カ...」

潤んだ瞳からほろりと涙が零れ落ちて頬を濡らしていくけれど、夕月が綺麗に微笑んでいたから...。
拒まれてはいないと改めて安堵の息を吐き、同時に胸の鼓動が激しくなっていることに気づいた。


あの日、夕月と再会を果たした時のように...。


――何度だって、お前に恋をするよ。



2009.7.12

*注意!次のページからは性的表現ありなので、
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