Yuki's Love Story

□水 色 恋 模 様
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青く透明な空間を夕月とルカは連れ立って歩いていた。

水の揺らめきが壁や天井に反射して淡い幻想的な世界を作り出している。


「ルカ、次はあっちに行ってみようよ」

夕月は楽しそうに館内案内図を手に先へ先へとルカを促していく。

二人は家族連れや恋人たちで賑わう水族館に来ていた。

僅かな光源の下で、夕月は華奢な体も手伝ってか愛くるしい少女のように見え、周囲の視線、とりわけ男どもの視線を集めまくっていた。
そんなことは露しらず、はにかんだ笑顔を振りまく夕月を周囲の目からさり気なく隠して牽制するルカもまた、女性の注目の的だったのだが、二人が知る由もなかった。

「わぁ〜見て!すごくカラフルだね」

「食えるのか?」

「えっ...!?と、これは熱帯魚だし、観賞用の魚だから無理かなぁ」

「そうか」

ルカは興味深げに色とりどりの魚たちが泳ぐ水槽を眺めていた。
その横顔をちらりと窺って夕月はほんのりと心が温かくなるのを感じた。

昨夜、水族館に行きたいなんて急な我が侭をあっさりと了承し、叶えてくれたルカ。そんな彼の優しさがとても嬉しかった。

どうして、こんなにも優しくしてくれるんだろう。
僕が神の光でデュラスとの戦いに必要不可欠だから?
それだけの理由じゃなければいいのにな。と、
心の隅で思う自分がいた。

ルカのことをもっと知りたい...。

漠然とした想いが沸き上がったのはいつからだろうか。

「ユキ、どうした?」

「...っ、なんでもないよ。ちょっと、ぼーっとしてました」

苦笑を浮かべて誤摩化す。
ルカのことを考えてました、なんて恥ずかしすぎて言えなかった。
優しい人に縋ってしまうのは僕の悪い癖だ。
それでもルカと一緒に居たいという気持ちは大きくなるばかりで...。

隣を見上げると優しい眼差しに射抜かれて、胸がきゅっと切なくなった。



2009.8.12@短くてスミマセン;とりあえずここまで。
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