Yuki's Love Story

□空蝉 ―twinkle―
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しばらくしても微動だにしないその正体を探ろうと、恐る恐る手を伸ばすと柔らかな感触。
そして、微かな声が漏れ聞こえてきた。

「......ゆっき〜」

「...ソドム?」

灯りのスイッチを手探りで点けると、夕月の腰に抱きついていたのは人型のソドムで、眠そうな顔でこちらを見上げていた。

「あっ、ごめん!起こしちゃったね」

「ううん...ボクが悪いの。ゴメンね、ゆっきー」

ポスンッと懐に顔を埋めてきた、ソドムのやわらかな髪を撫でながら夕月は問いかけた。

「どうして、ソドムが謝るの?」

獣の耳と尻尾がなければ、人間の子どもと何ら変わりなく、朝陽院の子どもたちが重なって懐かしい気持ちになる。

「あのね、お仕事に行ったマスターの言いつけを守らずに居眠りしちゃったから...。ゆっきーを守るように言われてたのに...」

「僕なら平気だよ。黄昏館(ここ)には皆がいるし、いざとなったら僕も戦うから」

黄昏館の中は安全だと聞いているけれど、もしもの場合は役に立たないかもしれないが、戦う覚悟は出来ていた。

「マスターはみんなが危険だって言ってた」

「みんな...?」

「だから、ゆっきーはボクが守るね!」

「うん、ソドムが守ってくれるなら頼もしいな」

「ボクにまかせて!」

獣の耳をピンッと立たせて力強く頷いたソドムは夕月の手を取ろうとした。

すると、そこからキラリと零れたシルバーの鎖を目ざとく発見する。


「ゆっきー!そのキラキラなぁに?」


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