花ひらく under





この心地良い温もりから離れたくはなかった。
抱き合う身体の境界線がなくなるくらい隙間なく溶け合いたいと
二人の想う心が一つになればなるほど愛しさが募って...。


「ユキ」

「...ルカ」


熱い吐息と共に名を呼ぶだけで分かり合えた。


――貴方が欲しいのだと。





***



「んぁ、あ...っ、あん」


ぱちゅっ、と繋がる下肢から粘着質な水音が鼓膜を打ち夕月の羞恥を煽る。
腰を高く抱え上げられ、背後からルカに貫かれ揺さぶられる細くしなやかな身体は薄紅に染まっていた。


「...ユキっ、平気か?」

気づかう声に応えようと夕月が開いた口からは荒い息と喘ぎしか漏れず、変わりにコクコクと首が縦に振られる。
それを確認したルカは背骨に沿って舌を這わせ、可愛らしく立ち上がり蜜を零す夕月の中心に手を伸ばした。


「あ、あっ...、やっ...」

ぶるり、と身体を震わせ啼く夕月の、脇腹から細い腰を片方の手であやすように撫でたルカは
小振りな双丘のはざまを穿つ速度を上げた。


「ひっ、あっ...、やあぁっ...!」

激しい抽挿と下肢の前を刺激され夕月は呆気なく熱を吐き出してしまう。
が、射精の余韻に浸る間もなく、ルカの腰の動きは止まらない。
快感に朦朧とする意識の中、夕月は腰を掴むルカの手を上から握った。


「ユキ...っ」

やけに近くで聴こえた声に振り返れば唇が重ねられた。
背中に密着したルカの胸の鼓動にどこか安心させられる。
あんなに激しかった抽挿は止まっていたが、胎内にルカの熱を受け入れたまま
舌を絡め合う深いキスに感じ入った夕月は切ない声を漏らす。
飲み込めなくて口の端から零れた唾液をルカが舐めとり、ちゅっ、と唇を啄むと離れていく。


「ユキ、辛くないか?」

「ん......きもちいい...」

幸せそうにほわり、と笑った夕月の表情に胎内に入れたままのルカの熱が大きく膨らむ。


「えっ、ひゃあっ...!あっ」

「っ...悪い」

夕月の片足を持ち上げて身体を横向きにさせると、その体勢のまま抽挿を開始する。
いつもと違う角度で入ってきたルカの熱に夕月は乱れに乱れて、ただ喘がされるばかりだった。
ぐちゅぐちゅと交わる下肢は蜜にまみれて、ルカの顔にも余裕がなくなってきていた。


「あっ、あ...っ、もっ、」

「ユキ...っ」

「...んんっ!」

細い腰をびくびくと跳ねさせ熱を吐き出した夕月のあと、ルカの熱い迸りが胎内の奥に注がれる。

息の整わない二人の視線が覚めやらぬ熱と共に絡んで、蜜に濡れた身体は再びベッドに沈んでいった。



end.
2012.0424@久々のR指定モノ...^^;

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