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□幸せ
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新年は、賢吾の家で迎えることにした。

約束なんかしていなかったので、11時ごろに突然押しかけて来たオレに、賢吾は当然、ものすごく驚いていた。

それでも結局家の中に入れてもらって、適当にテレビを見たり、他愛のない話をしたり、お湯を注いで三分の蕎麦を食べたり。

デジタル時計が年が明けたことを示したので、新年の挨拶をしたり。

なんとなくしたくなって、今年最初のキスを交わしたりした。


「……なぁ、賢吾」


ゆっくり唇を離し、ぎゅう、と抱き着く。


「え、何?」


抱きしめているお陰で互いの顔が見えない、ということに、昶は内心深い安堵を感じた。


「……今年もずっと一緒にいろよ」


その台詞を言ったとき、昶の顔は、普段からは考えられない程真っ赤だったから。


「……当たり前じゃん」


何を今更、という感じの賢吾の声。



……ああ。

今年は幸せな年になりそうだ。





END...
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