*Story-S*

□また明日
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ねぇ、悠二。


悠二はあの日見た月を覚えてる?


ヴィルヘルミナに散々シゴかれて、へろへろになった悠二は笑う度に痛いって騒いでたね。


河川敷に寝転ぶ悠二があまりに気持ちよさそうで


思わず私も寝転んだ。


封絶を解いた瞬間に見えた月を見て、キレイだって小さく呟いた悠二の顔…


まだ覚えてる。


バカなこと言ってないで早く立てってヴィルヘルミナは怒ってた。


でも、笑ってた。


別にいつもと変わらない


私はそう言ったけど


ふと私の顔を見た悠二の顔を見れば分かった。


きっと私も笑ってた。


貴様に休息の時はないってアラストールの声が聞こえた。


多分、なんとなくだけど笑ってる気がした。


みんな、みんな笑ってた。


あの時だけは…



みんな同じ空を見てた。



「シャナ…」


なのに…


なんで?


あの日と同じ場所で


なんで私達は戦わないといけないの?
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