仮想19世紀
□あのときは…?
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本部の引越しも終わり、だいぶ落ち着いたころ。
リーバーを代表とする、タイムアウトで助かった科学班数人が改めてミランダに感謝した。
ミランダは恐縮して逆に
「生きていてくれてありがとう」
とお礼を言ってぐずぐずと泣き、それをマリが慰める、という光景にリーバーたちは『普通の平和な生活』を連想させて、なんとも言えない痒い感じを味わった。
「…そういえば、さ。タイムアウトをマリが解かせてからあの二人って余計に親密な雰囲気、だよな?」
一人が言えば他の人間も
「うろ覚えだけど、ミランダのタイムアウトを解かせるとき、マリの手がミランダの腰じゃなくて胸のあたり…になかったか?」
思い出そうとするが、どうにも記憶が曖昧で思い出せない。
「コムビタンDのとき、首を噛まれてショートしたくらいだから、胸はないだろ、胸は」
「人前だったから、ショートしたってことも…」
どこまでを許しあっている間柄なのか、が気になるところではあるが、普段の二人をよく知っているがために、どうにもイチャイチとしている姿が想像できない。
結局、二人が幸せならどこまで許しあってたっていいか、と結論づけたが…独身諸氏はちょっぴり悲しげで、家族持ちは愛する人の傍にいられる幸せを羨ましく感じずにはいられなかった…。