第3部 決戦!ゼルゼバス軍

□第34話 消えない喜び
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リフェッド「己の剣に思いを乗せ、戦おう・・・。」
リネラス「私も力になるよ、私達は2人で1人なんだから。」
パルム「スティーク、リフェッドとはお前と2人で戦おう。」
スティーク「ああ、それじゃあナック、お前はリネラスを頼んだ。」
ナック「分かった。」
リフェッド「確かに、オレ1人が相手の方がやりやすいだろうな。
      だが、2人でオレに勝てるか?」
パルム「お前こそ、いくらお前でもオレ達2人に勝てるか?」
リフェッド「少なくとも、負ける気はしないな。」
ナック「リネラス、まずはアールを解放するんだ、あれはお前の結界だろ?」
リネラス「ごめん、それはできないの。」
ナック「そうか、ならオレが解放してやるよ・・・。」
アール「悪いな、魔術しか能の無いオレで。」
ナック「気にするな。」
スティーク「リフェッド・・・オレがお前に勝ったことは、一度も無かったな・・・。
      オレだけじゃない、お前は伝説の勇者の中で最強だろう。
      だが、今回は2人だ・・・十分勝機はある。」
リフェッド「そうか・・・ならば来るがいい。」
スティーク「お前相手に力を惜しむ理由は無い。
      最初から本気で行くぞ・・・千里眼、解放!!」
リフェッド「千里眼・・・以前はそのような力を持っていなかったな。」
スティーク「これでお前の高速の動きも見切れる!いくぞリフェッド!列攻斬!!」
シュン!!
リフェッド「甘いぞ、お前の攻撃など簡単に見切れる。」
アール「今の高速の攻撃をかわしただと・・・?」
リフェッド「次はこちらからいくぞ・・・少しも気を抜くなよ・・・?」
スティーク「・・・。」
キィン!!
パルム「スティーク・・・!」
リフェッド「今の一撃を防いだか、大したものだな。」
キィン!!
リフェッド「だが、ただ見切れるだけではオレの攻撃を防ぐことは難しいぞ?」
リフェッドは、スティークの後ろに回り込んでいた。
そしてスティークの足を払いのける。
スティーク「ぐあ!?」
更にスティークを蹴り飛ばす。
スティークは床に叩きつけられる。
リフェッド「今お前は完全に無防備だった、普通なら斬り刻まれて死んでいるぞ。」
スティーク「クッ!相変わらず恐ろしい強さだ・・・。」
・・・・・・・
ナック「リネラス、お前が魔力の流れを操ることは知っている。
    だから小細工は一切使わずに、この剣を、お前にぶつけよう!」
リネラス「戦いは苦手だけど・・・大丈夫、リフェッドのためなら、できるよ。」
ナック「いくぜ、これをくらえ・・・!」
ナックはリネラスに一撃を与える。
しかし、リネラスは無傷だった。
ナック「そうか、お前は魔力の流れを操る・・・自分の魔力を飛ばして防いだか。」
リネラス「うん、でもそれだけじゃないよ。」
ナック「何?・・・!?剣が、重い・・・!?」
リネラス「その剣に、魔力をたくさん吸収させたの。
     しばらくは重くて使い物にならないよ。」
ナック「・・・仕方ねぇ・・・素手で戦ってやるよ!」
リネラス「いくらナックでも、素手で私に勝てるかな?」
ナック「やってやるさ・・・。」
リネラスは魔力を飛ばして攻撃する。
だが、ナックはそれ全てかわし、リネラスに近づく。
そして闇の力を腕に纏わせ・・・!
ナック「ダークナックル!!」
リネラス「無駄だよ。」
しかし、魔力で防がれてしまう。
ナック「やっぱ、正面からじゃ無理か・・・。」
・・・・・・・
パルム「烈空瞬突!!」
リフェッド「甘い!」
キィン!
スティーク「死光削冴!!」
リフェッド「無駄だ!」
キィン!
リフェッド「どうした、お前達の力はそんなものか?」
パルム「強すぎる・・・。」
リフェッド「全力で戦え、さもなくばお前達はここで終わりだ。
      最も・・・オレは命を奪うつもりはないが。」
パルム「全力・・・か、仕方ない・・・あの力を解放しよう。」
スティーク「お前、まさか・・・。」
パルム「そうだスティーク・・・今こそ、解放する時・・・。」
リフェッド「何だ・・・?見せてみるがいい、その力を。」
パルム「いくぞリフェッド・・・!オレは、我が命に変えてでも、お前を取り戻す!
    これが修行の経て編み出した新たな力、スキーマだ!!」
スティーク「スキーマ・・・そんな名前付けたのか。」
パルム「リフェッド、剣ではお前に勝てない・・・だが、これなら・・・!」
リフェッド「時空を操る力を上昇させたか。」
パルム「この状態のオレは全ての境界を支配する・・・。
    全能なる神のような存在になったんだ・・・。」
リフェッド「なるほど・・・それがお前の思い上がりではないのかを、試してやろう。」
パルム「来い・・・!」
リフェッド「・・・。」
次の瞬間リフェッドは一瞬にしてパルムに斬りかかる。
だが、パルムはその一撃を防いでいた。
パルム「さあ、次はオレの番だ・・・。」
リフェッド「いいだろう、来るがいい。」
パルムは時空ホールを作り出す。
そしてその中から巨大な波動が飛び出す・・・!
リフェッド「ハァ・・・!!」
それをリフェッドは剣で防ごうとする。
パルム「どうだリフェッド・・・!!」
リフェッド「クッ、ハァアア・・・!!」
そしてリフェッドはその一撃を防ぎきった。
だがパルムの攻撃はまだ続く。
パルム「烈牙斬突!!」
キィン!!
パルムはスティークに合図を送る。
スティーク「光破風斬!!」
リフェッド「!・・・ッ」
すぐにその攻撃をかわす。
しかし、スティークが放った風の刃をパルムが吸収する。
そして至近距離からリフェッドに向け放出する。
ズバァ・・・!!
リフェッド「がは・・・!」
パルム「やったぞ・・・!」
リフェッド「流石だな・・・。」
スティーク「オレ達は、負けない・・・!」
リフェッド「久しいな・・・こんなに戦いを楽しめるのは・・・。
      思い出として残っている・・・故に、懐かしさがある。
      忘れたことなどないぞ、あの幸福な日々をな・・・。
      だからこそ戦える強さがある・・・。
      何があろうと、消えることなどないのだからな。
      これほど喜ばしいことはないな。」
パルム「消えない喜び、か・・・。
    オレ達の記憶となって、思い出が、永遠に残る。
    楽しいことも、辛いことも、等しく残り続ける。」
スティーク「辛いからと言って記憶から消してしまっては、
楽しい思い出さえも無駄になってしまう。
そんなのは、もったいないよな。」
リフェッド「そう、だな・・・全てを受け入れることが、強さになる。」
パルム「だがお前は、その強さ故に、間違ってしまったんだな・・・。」
リフェッド「思い出があるからこそ取り戻す必要がある。
      幸福だったあの日々を・・・平和な世界を取り戻すんだ。
      苦しむ者のいない、穏やかな世界をな!」
・・・・・・・
リネラス「ナック、遠慮はいらないから・・・全力で来て。」
ナック「全力か・・・今こそ、あの力を解放する時なのかもな。
    それじゃあいくぞ、リネラス・・・少しも気を緩めるなよ・・・?」
リネラス「・・・うん。」
ナック「セオフ、解放・・・!!」
ナックは今、不死鳥の力を解放した・・・。
リネラス「・・・私、負けないよ・・・。」
ナック「ブラックレネゲイドがなくとも、この力なら勝てる・・・!」
リネラス「闇も炎も、私には効かないよ。」
ナック「これでもか・・・?フジヤマボルケイノ!!!」
ボォォォオオオオオ!!!
ナック「どうだ・・・!?」
リネラス「言ったでしょ、私には効かないって。」
ナック「何だと・・・!?」
アール「恐ろしい、な・・・。
彼女はきっと死のオーラやデスナイトメアでさえ、防いでしまうんだろう。」
リネラス「魔力の類なら、何でも防げるよ。」
ナック「そうか・・・だがこの状態なら素手でも十分いける!いくぞリネラス!!」
ナックはリネラスの後ろに回り、殴りかかる!
しかし、魔力の波動で吹き飛ばされる。
ナック「クッ・・・!」
そして今度は引き寄せる・・・!
ナック「ぐあ・・・!!」
リネラス「練魔波動。」
リネラスは魔力を練り込んだ波動をナックに向け放出する!
ドォォオオオン!!
ナック「ぐぁあああ・・・!!」
アール「リネラス・・・見た目はあんなに可愛いのに強すぎる。
    ヘタしたらメリエルより強いぞ・・・。」
ナック「何てことだ・・・解放してもリネラス相手じゃ意味が無い・・・。」
アール「そうだナック・・・パルムと交代すればいいんだ。」
ナック「そうか、そうだな・・・その方が勝機はある。
    だがブラックレネゲイド無しでリフェッドとどう戦えばいい・・・?」
アール「いけるだろ、今のお前なら・・・寧ろ剣で挑む方が無謀だと思うな。」
ナック「そうか、よし・・・パルム、交代だ。」
パルム「分かった・・・ならオレがリネラスとか。」
リネラス「パルム・・・。」
パルム「何だ?」
リネラス「ううん、何でもない・・・ただ、懐かしいなって、思っただけ。」
パルム「そうだな・・・オレ達がみんなで話していたのは、1000年も前のことだしな。
    思い出は、いつでも消えることはなかった・・・。」
リネラス「私もだよ・・・故郷はもうないけど、忘れたことはなかった。
     みんな、仲間だからね・・・。」
パルム「ああ、そうだ・・・オレ達は、みんな仲間だ!」
リネラス「なのにどうして、戦わなくちゃいけないんだろう・・・仲間なのに。」
パルム「それが、絆だからだよ・・・戦うことで、互いに絆を確かめ合うのさ。
    本気で戦えるのは、オレ達が仲間である証なんだ。
    だからこそ遠慮なく、全力で戦える!」
リネラス「そうなんだ・・・じゃあ私も、遠慮なく戦って、いいかな・・・?」
パルム「ああいいとも、その方がオレも嬉しいしな。
    その代わりオレも遠慮はしないぜ?」
リネラス「いいよ・・・本気で、来て・・・!」
アール「・・・これが、仲間・・・絆・・・いつ見ても、いいものだな・・・。」
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