第3部 決戦!ゼルゼバス軍

□第34話 消えない喜び
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スティーク「いくぞビーグル・・・!」
ビーグル「来い・・・。」
不敵な笑みを浮かべ、そう言った。
スティーク「真空烈風刃!!」
ビーグル「そんなものか。」
パルム「・・・やはりこいつ相手に力を出し惜しみすべきじゃない。」
ビーグル「僕はただの足止めだ、無駄な力は使わない方がいいと思うが?」
ナック「足止めだと・・・?」
ビーグル「そうだ、だからお前達とはまたじっくり戦ってやるさ。」
スティーク「何の為の足止めだ・・・?」
ビーグル「後で分かる・・・。」
パルム「その先で誰かが戦ってんのか・・・?」
ビーグル「答える必要はない。」
ナック「そこをどけ、ビーグル・・・!」
ビーグル「時間が来たらどいてやる、それまで待つんだな。」
スティーク「・・・ここでビーグルを倒せる気がしない。
大人しく待ってないといけないのか・・・。」
ビーグル「物分かりがいいな、その通りだよ。」
パルム「そんな・・・。」
ビーグル「心配する必要はない、我々は命を奪うつもりはない。
     特に、彼ならね・・・。」
ナック「・・・誰のことだ?」
ビーグル「お前達がよく知る人物さ・・・と言っても、随分久しくなるが。」
スティーク「・・・。」
・・・・・・・
「・・・来たか。」
アール「ああ・・・大魔法使いアール、ここに見参!!」
黒髪の男「・・・スイカ・ツェッペリン様の命により、アール・・・お前を仕留める。」
アール「オレが誰だか分かってんのか?簡単なことじゃないぞ。」
黒髪の男「その自惚れが命取りになる、お前は自分が思っている程強くなどない。」
アール「言うじゃねぇか、ところでお前の名は何だ?」
黒髪の男「・・・リフェッド。」
アール「そうか、じゃあリフェッド・・・オレはお前を倒すぜ!」
黒髪の男→リフェッド「そうか。」
アール「いくぜ、マグマデストr」
ズバッ!
アール「がはっ・・・!」
リフェッド「これが魔術師の欠点だ、技を放つまでに時間が生じる。
      対してオレは一瞬の時があればお前に一撃を与えられる。」
アール「クッ、なるほどな・・・スイカ・ツェッペリンも考えたってことか・・・。」
リフェッド「お前は一度も魔術を放つことなくオレに倒される。」
アール「それはどうかな・・・?」
リフェッド「来ないのか?」
アール「ああ、そっちから来いよ!」
リフェッド「・・・望むのなら、そうしてやる。」
リフェッドは剣を構え・・・、
一気に振り下ろす!
それは床を砕き、一瞬にしてアールへと辿りつく・・・!
しかし、アールはその一撃を防いでいた。
アール「どうした、その程度か?」
リフェッド「防いだか。」
アール「マジカルスペー」
ズバッ!
アール「ガッ・・・!」
リフェッド「言ったはずだ・・・お前は一度も魔術を使うことはない。」
アール「馬鹿な・・・マジカルスペースすら使えないだと・・・?」
リフェッド「オレの名は、リフェッド・・・ゼルゼバス軍最速と言われている。」
アール「・・・流石はスイカ・ツェッペリン・・・適切に相手を用意する・・・。」
・・・・・・・
スイカ・ツェッペリン「見たかメリエル、あれがアールの・・・いや、全魔術師の弱点だ。」
メリエル「凄い・・・アールにあんな弱点があったなんて・・・。
     でもあんなに速く動くなんてどう考えても無理だわ。」
スイカ・ツェッペリン「そうだ、リフェッドだからこそできることだ。
           それともう1つ、アールは魔術しか使わない。
           それが仇となるのだ・・・。」
アール「クッ・・・!」
リフェッド「お前程度では、オレの技に反応することなどできない。
      何もできずただ敗れろ。」
アール「くそ、サンダー・・・。」
リフェッド「無駄だ。」
ズバッ!
アール「ぐは!」
アールは既に大量の血を噴出していた。
リフェッド「諦めろ、お前に勝ち目などない。」
アール「く、そ・・・。」
「終わった?」
リフェッド「ああ、もうそろそろいいだろう。
      お前の結界を使う時だ・・・リネラス。」
リフェッドの隣に白髪の少女が姿を現す。
アール「え・・・?おま、もしかして・・・彼女?」
リフェッド「ああ、紹介しよう・・・リネラスだ。」
リネラス「・・・。」
アール「・・・ハハ、アハハハ・・・そうか、そうなんだ・・・。
    ・・・テメェはオレを怒らせた・・・。」
リネラス「・・・ねぇ、どうする?まだやるみたいだよ?」
リフェッド「そうか、致し方あるまい・・・。
      これ以上斬れば命に関わる、お前がやるんだ。」
リネラス「うん、分かった。」
アール「ケアリカバー・・・!!」
リネラス「させない。」
アール「何、魔力の流れが・・・。」
リフェッド「リネラスは魔力の流れを操る力がある、魔術師であるお前には不利な相手だ。」
アール「畜生、マグマデストロイヤ!!!」
リフェッドに向け強力な炎が発せられる。
だが、その炎は一瞬にして消えてしまう。
アール「・・・嘘だろ・・・?」
リフェッド「お前の負けは見えているぞ、アール。」
アール「・・・くそ・・・。」
リフェッド「もういい、結界だ。」
リネラス「うん。」
その瞬間、アールが結界で包まれる。
アール「ング・・・ッ!!」
リフェッド「リネラス、平気か?」
リネラス「大丈夫、ちょっと抵抗するけど・・・。
     このくらいなら、十分抑えられるよ。」
アール「畜生・・・!!」
リフェッド「大人しくした方がいいぞ、その方が苦しみも和らぐ。」
アール「魔力が、止まってやがる・・・!!」
リフェッド「言っただろう、リネラスは魔力の流れを操ると。
      その結界は魔力も封じられる。
      傷を負ったお前の力ではリネラスに敵わない。」
アール「グ・・・。」
しばらくしてアールは大人しくなった。
リネラス「・・・終わったね。」
リフェッド「ああ、これで役目も終わり・・・次は本命が来るぞ。」
リネラス「楽しみだね、また会えるんだ・・・。」
リフェッド「・・・そうだな。」
・・・・・・・
ビーグル「・・・フッ、終わったようだな。
     お前達、ここを通ることを許可する。」
スティーク「やっとか・・・!」
ビーグル「これからお前達は、信じられないものを見ることになる・・・。
     覚悟しておくといい、では僕はこれで失礼しよう。」
その場からビーグルが姿を消す。
パルム「急ぐぞ、一体何があるのか分からない。」
ナック「ああ・・・!」
3人は通路を進んだ。
そしてその先で、あの男と合流した。
しかし、その男は・・・。
自由を奪われ横たわっていた。
スティーク「アール・・・!」
パルム「おいちょっと待て・・・あの2人・・・。」
リフェッド「・・・また、会ったな。」
リネラス「久しぶり、元気だった?」
ナック「リフェッド、リネラス・・・!!」
アール「・・・知り合い、なのか・・・?」
スティーク「ああ・・・オレ達と同じ、勇者の世界の生き残りだ。」
アール「伝説の勇者って、ことか・・・まだ2人いたんだな・・・。」
パルム「何でゼルゼバス軍に入ったんだ・・・。」
リフェッド「平和を実現する為だ。」
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