第1部 ゼルゼバス軍特殊部隊

□第15話 犠牲無き平和
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ラファエル「・・・。」
静かに、敵が来るのを待っていた。
いや、今となってはもう、敵という言葉は相応しくないが。
ガチャ
扉が開いた。
ラファエル「お前達・・・。」
ジョナサン「ラファエルってのはお前か?」
ラファエル「そうだ、大天使ラファエル。
      ここに来たということは、やはりcruelは・・・。」
言いかけたところで分かった。
オレ達の暗い表情を見たことで察したのだろう。
ラファエル「私は、cruelに死んで欲しくはなかった・・・。」
ジョナサン「分かってるぜ、それくらい。
      お前に悪気がなかったことくらい、みんな分かってんだ。」
ラファエル「・・・デスナイトメアをくらったのか・・・?」
スティーク「・・・ああ。」
スルトファーマ「オレもだ、だが・・・大丈夫だ。」
ラファエル「だろうな、だが、そこの者は危険だ。」
ヴェンチュラス「兄さんのことか・・・?」
ラファエル「そうだ、私が治療してやろう。」
ヴェンチュラス「いいのか?だってお前、敵だろ・・・?」
ラファエル「私はお前達と敵対するつもりはない。
      それとも、私は今でも敵だと思うか・・・?」
ヴェンチュラス「・・・。」
ラファエル「だとすれば、私はとても悲しいが・・・?」
ヴェンチュラス「そうだな、お前はもう敵じゃない。」
ラファエル「そうか、それはよかった。では、お前の兄を治療しようか。」
パァァアア・・・
すると、アースキンの傷は元に戻っていく・・・。
ラファエル「もう大丈夫だ。」
アースキン「・・・。」
ラファエル「さて、本題に入ろうか・・・。」
すると、ラファエルは戦闘態勢をとる。
ラファエル「お前達の実力を試したい、私を殺すつもりで掛かってこい。
      というより・・・殺してくれ。」
スティーク「何・・・?」
ラファエル「私が死ななければ、お前達はここから脱出できない。
      ソディエル様の命令で作った仕掛けだ。」
スティーク「何だと・・・!?」
ラファエル「ソディエル様は残酷なお方だ、しかし・・・それには理由がある。」
パルム「何なんだ、その理由って・・・。」
ラファエル「ソディエル様も昔は優しい男だった。
      だが、ソディエル様は変わってしまった。」
全員その話を黙って聞いていた。
ラファエル「ソディエル様は大切な仲間を失ったのだ。」
ヴェンチュラス「どうして・・・?」
ラファエル「処刑されたのだ、冤罪でな。」
スティーク「冤罪だと・・・!?」
ラファエル「ああ、その通りだ・・・もうこれ以上話す必要もないだろう。
      ・・・さあ、掛かってこい!!」
ジョナサン「行くぜ!ウィンディングサイクロン!!」
ラファエル「甘い!バリアーブレード!!」
しかし、膜状の物で防がれてしまう。
スティーク「裂破光斬!!」
キィィイイン!!
ラファエル「無駄だ、正面から来ても勝てない、戦術を考えろ。」
ヴェンチュラス「それなら・・・!」
そう言うとヴェンチュラスはラファエルの元へ走っていく。
決して速くはない、寧ろ遅い方だ。
ラファエル「サンダーブレード!!」
ズザァアン!!
ヴェンチュラス「ぐぁああ!!」
スティーク「ヴェンチュラス!」
アースキン「安心しろ。」
ヴェンチュラス「こっちだよぉ!!」
ラファエル「全てお見通しだ、フリーズブレード!!」
ヴェンチュラス「ぐぁああ!!」
ラファエルはヴェンチュラスが凍り付く様を眺めていた。
だが、ラファエルは気付いていた。
まだ他にも幻影がいるということに。
スルトファーマ「ライトビーム!!」
ラファエル「バリアーブレード!!」
ヴェンチュラス「ナイスだスルトファーマ、この隙を使わせてもらうぜ!!」
部屋にいるたくさんの幻影は1点に集まっていく。
そして全ての幻影からエネルギーが放出され、大きな球となる。
ヴェンチュラス「後はこれに炎を加えて・・・!
        フレイムブレイク!!」
巨大な火球がもの凄い勢いでラファエルに向かう!
ラファエル「残念だが、バリアーブレード!!」
しかし、防がれてしまう。
ラファエル「甘かったな、こんな大技であの隙は狙えないな。」
スティーク「どんな威力でも防ぎきるのかよ、なんて技だ・・・。」
ラファエル「その程度の実力でソディエル様に挑もうなどと考えていたのか?」
カラサット「違うな・・・、これを防いでみろ。」
チョキン・・・
ラファエル「バリアーブレード!!」
カラサット「何・・・?」
ジョナサン「防いだだとぉ!?」
アースキン「バカな・・・シザーショックを・・・。」
ラファエル「その程度で我々と戦えるほど甘くはないのだ、本気で来い。」
パルム「スティーク。」
スティーク「何だ、連携技か?」
パルム「ああ。」
スティーク「よし、やろうぜ!」
パルム「ああ・・・!」
そしてパルムは走り出し・・・、
ラファエル「使わせるか、ソーンブレード!!」
ラファエルの手から荊が伸びる。
パルム「斬破瞬陣!!」
しかし、パルムはその荊を切り裂き、先に進んでいく。
ラファエル「簡単に後ろを取られるほど甘くはない。」
スティーク「どうだかな!!」
ラファエル「もちろんお前のことも忘れてはいない、フレイムブレード!!」
スティーク「無駄だぜ、光破風斬!!」
パルム「剛刃斬突!!」
もの凄いスピードで風の刃が飛ぶ。
それはラファエルの手から発せられた炎を通り抜けていく。
そしてラファエルはパルムに背を向けた状態で強烈な刃の一撃を受けるのだ!
正面から来る風の刃をあのバリアーブレードで防ぐことも出来ない。
なぜなら、自分で放った炎により前方が見えないからだ。
そもそも防ぐことが出来てもパルムの攻撃を先に受けるので間に合わない。
ズシャァァアアア!!!!
ラファエル「ぐぁあああぁあぁああ!!!」
スティーク「終わりだな、今の攻撃を受けてもまだ戦えるか?」
ラファエル「言ったはずだ、私を殺せと・・・私が死ぬまで戦いは終わらない。」
アール「回復する気だ!!」
スティーク「何だと!?」
ラファエル「私に傷を負わせようと決して油断と容赦はするな。」
ヴェンチュラス「そんな・・・傷が、元に戻りやがった・・・。」
ラファエル「私に傷を負わせたことは褒めてやろう、だが、甘かったな。」
パルム「くそ、また振り出しかよ。」
ラファエル「残念だったな。」
アースキン「諦めるな、何度回復されようと、構うな。
      死なない限り、何度でも戦ってやれ!!
スティーク「ああ、そうだな・・・!」
ヴェンチュラス「兄さん良いこと言うな。」
ジョナサン「じゃあもう1回行こうぜ、ラファエルを倒しに・・・!!」
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