弐
□第四十二節
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会津へと向かう道中、倒幕軍は政府軍と名を改め自分達は賊軍へとなったことを知った。
甲陽鎮撫隊と戦った軍が東北征伐を行っており会津は戦いの渦中になっていることを聞きながら、私達は遂に会津へと辿りつき会津藩とともに戦の最前線に立つこととなった。
「久しぶりだな」
「あ…」
懐かしい声に振り向くと、そこには優しい笑みを浮かべた土方さんと平助君がいた。
隣にいた斎藤さんも少し嬉しそうな表情をしている。
「遅くなって悪かった。体は大丈夫か?」
「はい。副長は少し足を引きずっていたような」
「ああ、宇都宮で足を撃たれてな。でももう刀を振るうには問題ない」
「そうだったんですね」
それぞれ近況を報告していく。
話は聞いていたが土方さんの口から近藤さんの最期の話を聞くと、私も斎藤さんも言葉が出てこなかった。
「切腹でなく斬首だったことは本当に許せない。だが近藤さんの最期は本当に立派な武士だった」
怒りを滲ませながらも土方さんは静かにそう語った。
武士よりも武士らしく、まさに近藤さんはそういう方だったのだ。
斎藤さんと平助君が話しているのを確認して、土方さんが私の隣に立った。