黄昏色の籠囲い

□第四話
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二つの大国をまたぐように、その妖樹はそそり立っていた。



妖樹退治



「大きい…」


妖樹のもとに来たセレイアはポツリとその言葉を漏らす。
ゼウスの元で予め見ていた六聖獣も、実物の大きさに僅かに気圧されていた。


「ま、とっとと退治しちまおーぜ」

「そうだな」


思案よりも行動派なガイとゴウが一歩前に出る。


「あまり近付くと危ないかもしれないぞ」

「この距離から技を放てば大丈夫だろ」

「なら私が風を送りますね」


シンの言葉にゴウは微笑みながら構える。
そして一呼吸後に放たれたファイヤービームが、シンの力と相まって妖樹を炎に包む。

轟々と音を立てる様にしながら妖樹は燃えて、燻りながらその黒く染まった身を天使達の前に晒した。


「なんて言うか、あっけなかったな」

「つまらなかったね」

「僕達で消火活動でもしますか?」


未だ黒い煙を上げる妖樹を見ながらガイにセレイア、レイは笑い合う。
ゼウスからの命と言う割には簡単で、肩透かしを食らった為だろう。

そんな中、突如地面が揺れ動いた。
 
 
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