黄昏色の籠囲い
□第五話
1ページ/5ページ
知ってしまえば戻れないのかもしれない。
それでも真実を知りたいと思う。
―生まれた疑念と後遺症―
妖樹退治から戻ってきた天使達は、どこか浮かない顔をして過ごしていた。
原因は勿論、あの妖樹の事である。
「未だに信じられませんね」
「ええ。天使があの様な姿になるなど…」
テラスでお茶をしながら六聖獣達はそんな話をしていた。
「それにあの様子、とても最近生まれたとは思えない」
「それってゼウス様が知ってて放っておいたって事?」
「可能性はある」
ゴウの考えに尋ねたガイに、ユダが答える。
それぞれ思う事があるように、重い沈黙が流れていった。
「…少し調べてみるか?」
その沈黙を裂く様に言ったのはユダだった。
表情に戸惑いを浮かべながらも、誰も否定の言葉は口にしない。
「そうですね…悩んでいても答えは見つかりません」
決意するようにシンが言う。
それに全員が思いを決めて頷き、それぞれが自分なりの方法で妖樹の事を調べることになった。