君に捧げる遙かな愛
□教会
1ページ/5ページ
「ただ今戻りましたー」
ホーブルグ要塞から帰って、教会の入り口でそう挨拶をする。
「やっと帰ってきたかシェナ!」
「お前、シェナさんに失礼だろ!」
早々に抱き付こうとしてきたフラウを沈めて、テイト君が頭を下げてくれた。
「ご苦労様でしたシェナ」
「お帰りシェナ」
「カストルにラブ、ただいま。あの二人、知らないうちに仲良くなったのね」
そう言ってフラウとテイト君を見る。
私が出掛ける前はどことなく険悪だった気がするのに。
「こんなチビ、相手にする訳無いだろ。俺にはシェナしかいないからな」
「はは、黙って」
フラウは聖職者とかの前に、私達の性別が違う事に気付けばいい。
「はい、シェナ。お茶どうぞ」
「ありがとラブー!」
どこから出てきたのか、ラブから一杯のお茶を貰う。
疲れた体にはラブのお茶が一番効く。
「あ…シェナさん、仕事お疲れ様でした」
「ありがとうテイト君」
少し俯き気味になりながら言ってくれたテイト君の頭を撫でる。
こんな弟いたらいいな。