君に捧げる遙かな愛
□理由
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教会の自分のベッドとは違う寝心地。
そして誰かに見られている感覚。
「あ、お早う」
目を開けば、すぐそばに笑顔の男がいた。
「ちょっと少佐、顔が近過ぎですよ!」
「そんな事無いよ。キス出来る距離じゃないし」
基準がおかしいと思いつつも、口をきくのも面倒なので頷くだけにする。
「アヤたーん、シェナちゃん起きたよー!」
手を振って大声を出す男は、確かヒュウガさんだったはず。
「お早う」
少し視線をずらせば、眼帯の子が可愛い笑顔で挨拶をしてくれた。
そしてベッドに横になったままの私に抱きついてきた。
「お早うございます。体大丈夫ですか?」
心配そうな顔で尋ねてくるのは、そう、コナツ君だ。
「はい、大丈夫です…」
眼帯の子ごと体を起こして返事をする。
辺りを見渡せば全く見た事の無い場所だった。
「でも、ここはどちらですか?」
そう聞いてみれば、コナツ君は少し困った顔をした。
どう説明するべきか迷っているみたいだ。
「あの、簡単にでい…」
「目が覚めたか」
私の言葉に被さって声がした。