君に捧げる遙かな愛

□理由
1ページ/6ページ


教会の自分のベッドとは違う寝心地。
そして誰かに見られている感覚。


「あ、お早う」


目を開けば、すぐそばに笑顔の男がいた。


「ちょっと少佐、顔が近過ぎですよ!」

「そんな事無いよ。キス出来る距離じゃないし」


基準がおかしいと思いつつも、口をきくのも面倒なので頷くだけにする。


「アヤたーん、シェナちゃん起きたよー!」


手を振って大声を出す男は、確かヒュウガさんだったはず。


「お早う」


少し視線をずらせば、眼帯の子が可愛い笑顔で挨拶をしてくれた。
そしてベッドに横になったままの私に抱きついてきた。


「お早うございます。体大丈夫ですか?」


心配そうな顔で尋ねてくるのは、そう、コナツ君だ。


「はい、大丈夫です…」


眼帯の子ごと体を起こして返事をする。
辺りを見渡せば全く見た事の無い場所だった。


「でも、ここはどちらですか?」


そう聞いてみれば、コナツ君は少し困った顔をした。
どう説明するべきか迷っているみたいだ。


「あの、簡単にでい…」

「目が覚めたか」


私の言葉に被さって声がした。
 
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ