君に捧げる遙かな愛

□行末
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寝かされていたベッドの上、子どもの様に端に座り込んで壁を見つめる。


(何この展開…おかし過ぎる)


壁を見ながらそんな思いだけが頭を巡る。
私の後ろではブラックホークの人達が何やら盛り上がっている。


「絶対メイドさん!」

「そんな格好の人がここにいたらおかしいですよ!」

「僕も見てみたい」

「クロユリ様はメイドさんが好みですか」


真剣に考えているんだろうけど、そうは感じられない。


「シェナさん」


ずっと背を向けたままの私にカツラギさんが声を掛けてきた。


「申し訳ありませんが、この服に着替えて頂けませんか?」


振り返って見れば、カツラギさんが軍服を差し出していた。


「嫌です。私はシスターの服を脱ぎません」

「ですが…」


困っているカツラギさんには申し訳無いけど、私は軍服には袖を通したくない。
これを着たら、教会の皆との繋りが切れそうな気がする。


「そのままでいれば、お前の身が危ないだけだ」


離れた所で私達を見ていたアヤナミさんが言ってきた。
そんな彼を強く睨みつける。


「何を他人事みたいに!貴方がここに連れてきたのが原因なんですよ?!」


つい苛立って言葉が荒らくなる。
でもアヤナミさんが連れて来なければ、私はこんな目に合わなかった。


「落ち着いて下さい」


フワリとカツラギさんが私の頭に手を置いた。
その感覚に自然と心が落ち着きを取り戻す。
 
 
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