君に捧げる遙かな愛
□要塞
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―ブラックホーク―
それは帝国軍アヤナミ参謀長官直属の最高部隊。
少なくとも私はそう認識していた。
「ようこそブラックホークへ!」
だからこそ思う、一体このノリは何だろうと。
アヤナミさんに言われた通り、ホーブルグ要塞に連れて来られた私。
ブラックホークの執務室に入るなり、冒頭の出迎えを受けた。
「さ、シェナちゃん入って!」
ヒュウガさんに背中を押されて執務室の中に入る。
「シェナも今日から僕達の仲間なんだね」
「クロユリ君…」
クロユリ君の嬉しそうな言葉に、何と答えるべきなのか悩む。
確かに形の上では、私は今日からブラックホークの一員だ。
しかし、それを肯定するには心の中で踏ん切りがつかない。
「細かい仕事の話は後だ。付いて来い」
「もう少し言い方を考えたらどうなんですか?」
相変わらずの上から目線なアヤナミさんに反抗する。
それに対して何を言うでもなく、アヤナミさんはただ静かに近付いてきた。
「シェナ、お前こそ上司に対する態度を考えたらどうだ」
そう言われて言葉に詰まる。
私のブラックホークでの立場は、アヤナミさん付のベグライター。