君に捧げる遙かな愛
□夕暮
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「う…」
頭がガンガンと痛むことで目を覚ました。
完全に二日酔いになっていて、気分は最悪と言っていい。
「起きたか」
「アヤナミさん…?」
無理に体を起こせば、そこには軍服に身を包んだアヤナミさんがいた。
「今日は一日ゆっくりしていろ」
「でも、それはまずいんじゃ?」
形式上でもアヤナミさんのベグライターとなっているのだ。
何もせずにいる訳にはいかないだろう。
「その状態では仕事にならないだろう」
そう言われてしまっては言葉に詰まる。
正直な話、こうして体を起こしているのも辛い。
「それとも一人でいるのが寂しいのか?」
「そんな子どもではないです!」
「その割には悲しそうな顔をしている」
指摘されて否定が出来なかった。
実は教会にいた頃の夢を見て、どこか物悲しい気分になっていた。
「今日の仕事は書類ものだけだったな」
呟くように言って、アヤナミさんは私のそばに立った。
「取ってくる間に泣いたりするな」
僅かに笑いながらアヤナミさんは言って部屋を出て行った。
どうやら私の為に私室で仕事をするらしい。