黄昏色の籠囲い
□第五話
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「ルカはどうする?」
「私は少しセレイアの所に行ってくる」
ユダに尋ねられてルカはすぐにそう答えた。
「そうか」
「すまないな、調べるのには後から参加する」
詫びるように言うルカの肩をユダは軽く叩いた。
「気にするな。それより後でセレイアの様子を教えてくれよ」
「ああ。皆にも謝っていたと伝えてくれ」
「皆分かってた話だと思うけどな」
からかう様に言うユダにルカは少しだけバツの悪い顔をした。
しかしユダの言う通りだろうと思い、何も言わずに別れてセレイアの部屋に向かった。
「入るぞ」
返事のない部屋の扉を開き、ルカは中に入る。
そこにはベッドで眠るセレイアがいた。
先日の妖樹との戦いの後から、体調を崩しているセレイア。
ルカはベッドの横にある椅子に腰を下ろす。
「ん…ルカ?」
気配で目が覚めたのか、セレイアはゆっくりと目を開く。
「起こしてしまったか」
「大丈夫。そろそろ起きないと夜眠れないし」
冗談めかして言いながらセレイアは起き上がる。
しかしその顔色は決して良いと言えるものではなく、ルカは眉間に皺を寄せる。
「セレイアあまり無理をするな」
「出た、ルカの心配症」
クスクスと笑いながらセレイアは言う。
が、すぐに辛そうな咳をした。