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□その後の話。
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(派手に暴れた後、事情聴取とかいう名目で屯所に連行されました)

+++その後の話。+++

「オラ、さっさと脱げ」

薬箱片手に襖を勢い良く開けて入ってきた土方に、応接室の畳に寝転びながら銀時はくぐもった声を上げた。
ぐったりしているのは、派手に立ち回った後だからだろうか。かなり疲労していることは確かで、でなければ隊士を振り切って逃げていただろう。

住居はばれているから本当に事情聴取するつもりだったら逃がしても良かった。だがほうっておいたらそのまま傷も何もかも放置しそうだったので、連れてきてよかったと思う。連れてきたのは自分ではなかったが。

「あ゛ー、なんつーか、誘ってる?」
「お前の神経はそっち方面しか発達していないのか」
「冗談ですよー。つーか何で俺、しょっぴかれてんの?ボク何も悪いことシテナイヨー」
「……一々むかつくヤツだな」

冗談だとかいってきっと半分以上本気だったのだ。あっさり一蹴すると息をついてのろのろとと着流しから左肩を抜いた。
あまりに緩慢とした動作だったので待ちきれなくなって内着の裾から手を突っ込んで捲り上げる。

と、左の脇腹。

思い切り坤の一撃を食らった部分に目を眇める。近年見たことの無い見事な青あざが出来ていた。そりぁもう、腹の三分の一くらい青くなるような!

「お前これ、肋骨折れてるんじゃないだろうな」
「えー、どうかなー」
「自分でわからねぇのかよ…ったく」

打撲跡は酷いものの、内臓出血まではいっていないだろうと勝手に判断する。そんなにきっとヤワではない。
日々高血糖の恐怖と戦い続けている臓器は軟弱ではないはずだ。そろそろランゲルハンス島が負けそうになっているのだけれど!

ぺたりと大きめの湿布を貼り付けてやるとおかしいくらいに体が撥ねる。頑丈なことは知っているが、もしや本当に内臓でも破裂しているのかもしれない。

「オイ、まじでヤバイんじゃねー…ッ」

心配して覗き込んだら後頭部を掴まれた。ぺたりとやり場も無く付いた手は今までぐったりしていたはずの男の胸板に着地する。

なんだこれは。
お前絶対転んでもただじゃ起きないだろう!!

唇を一度なぞって入り込んできた舌に反射的に空いた手を伸ばして後頭部をはたくと、涙目にになって間近に近づいた銀色の頭が離れる。
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