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□義弟の心得
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そう思ったのは何も沖田だけではなかった。

土方は知らないし、むしろ嫌われていると思っているようだが、真選組隊士の殆どが近藤を慕うのと同様に土方を慕っている。
近藤に対するものとはベクトルが違うが。それが表立って現れないのはひとえに沖田が睨みを効かせていたからだ。
そんな中でも山崎というつわものいるわけで、ただ彼は常に愛情を表現しているのだが性癖のおかげで土方に気付かれるまで至っていない。本人は幸せそうだけれど。

…つまり土方は真選組内で表立って騒がれることは無いけれど、そういう対象なのであって―――それを横からかっさらいつつある坂田銀時に対して対策会議まで開かれたこともある。
指名手配案まで出たのだけれど、裁可には局長もしくは副長の承認が必要だったので賛成多数であったが残念ながら廃案になった。

法的措置が取れない現状にこちらが手をこまねいていることもあるけれど、それ以上に敵は手ごわい。

数々の嫌がらせにも関わらず乗り込んでくる。

たとえ門番に侵入拒否されようと、間違われて(もちろんふりだけれど)打ち水をかぶせられようと、庭に地雷を埋められようと、ジャングル状態になった中庭に罠を仕掛けられようと構わず根性で侵入を繰り返す。流石に土方に怪我をさせるわけにはいかないので副長室の中まで罠を仕掛けられないのが難点だ。

沖田は元々の気質が山崎とは正反対であるため、平気で手入れの最中の暴発と称してはバズーカを打ち込んでいるけれど、天然パーマをアフロにしただけだった。
ゴキブリ以上にしつこい。
ついでに土方も吹き飛ばしかけてこっぴどく怒られたが懲りていないあたりが沖田の沖田たる所以でもある。
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