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□原付デート
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その土方が、どういう心境の変化かわからないが自分を待ち伏せしている。
問答無用に銀時の心臓は跳ね上がった。

一方土方は、そんな銀時の内心を知るでもなく、もう一度煙草に口をつけて有害物質を吸い込んでいる。

「今からどっか、出かけんのか?」
「あ…いや、大した用じゃねぇけど…あの、土方は…」

何で、といいかけて銀時は口を噤んだ。そう言ったら拒絶してしてるかのように聞こえるのではないかと思ったのだった。あまりに予想していなかったことが起きたものだから条件反射のように固まってしまっただけなのだが、土方はそういうことにはやたら敏感だから、つい気を遣ってしまう。
が、今日の土方は、全くそんなことも気にした様子も無くふと笑った。
普段仏頂面の土方が中々笑うことは少ないのだが、何故だかそれにぞわ、と背筋にくる不吉な予感を覚えて銀時はまた冷や汗をかいた。一体何なのだろうか。

「なァ、銀時」

その珍しい笑顔に動揺する銀時をちょいちょいと手招いて、土方は悪童のような顔をして。

「ドライブいこーぜ」

そう言ったのである。
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