+++インソムニア+++

□逃。
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皆様今日和。もしくはお早う御座います。でなければ今晩和。

副長の狗こと山崎退です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
俺は今日も元気に走っています。
無駄なくらい爽やかな汗を流して走ってます。

外見爽やか系は沖田隊長の担当のはずです。俺のキャラじゃありません。分かってます。

じゃあなんでそんなに爽やかさをアピールしているのかというと、それは今が爽やかな朝だからです。
嘘です。現実逃避してるからです。

「山崎ィイイイ!!待ちやがれェエ!」

後方から副長が砂埃を巻き上げて追ってきているからです。
その形相は鬼なんてものじゃありません。
元々が綺麗なだけに余計に恐ろしいです。今なら眼光だけで過激派攘夷志士の魂を軽く二十人分くらい抜き取れそうです。
瞳孔全開で薄い色の目が真っ黒に見えます。現実逃避に爽やかさなんて醸し出している場合じゃありません。しっかりと握られた剣が本気です。本気で命狙われてます。

「ごめんなさいィイイッ!!!」
「ごめんで済んだら俺達全員リストラだァッ!」

尤もです。無職確定です。いつもならここらで諦めて愛の鉄拳…嘘付きました。もとい、私刑を受けるわけですが、流石に今足を止めたら確実に、200パーセント確実に命が無いので全力疾走です。
今なら余裕で世界新記録を出してる自信があります。

俺が悪かったんです。
全面的に悪かったんです。
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