+++アンニュイ+++
□橋の上でする恋、その後
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「美人だったろ?」
もういい加減に殴られてやるのも馬鹿らしくなったので、まだ子供の喧嘩みたいに殴りかかってくるヅラをどうどうと馬にするみたいにいなして聞くと、途端にぴたりと手が止まった。
「…美人だった」
元々怒りで真っ赤だった顔を更に首まで赤くしてぽつりと呟く。
……やべぇ。
反射的に、ヅラに気が付かなかったとはいえ、キスシーンを見せ付けちまったことを悔やんだ。
苛烈な目をしていても十分にクルあの色気だ。床の内でする類のものだったならと思考が及んで思わず底冷えを覚える。叩き落してもきりがないほどの虫がついてくるに決まっている。
お互い色事には手馴れているから気にもしないが、知った相手がその虫となると相当複雑だ。
「…少し出てくる」
言い置いて足早に歩き出した背に
「話が終わっていないぞっ!」
ヅラの怒声が反響したけれど、残念ながら耳に入るこ
とは無かった。
***
後日ヅラは土方家に手土産持参にご挨拶にいくかもしれません(笑)
「ウチの高杉(こども・笑)がお世話になってます。」
「全くだ。引き取ってくれ。」(←入りびたられ率上昇中)
ま、ヅラと高杉編は軽めに(笑)