+++アンニュイ+++

□作戦成功
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「しばらく世話になる」

玄関を開けた途端上がり框に滑り込んできた長髪の男は、呆然とする土方を見た瞬間そういって手を合わせた。拝むみたいにして。
転がり込まれること事態は珍しくもなんともないが、如何せんその恰好が意外すぎて、土方は承諾しながら視線を桂の背後にあるものに向ける。

「……なんだその荷物は」

大きな風呂敷包みに二つ分。

此れでもかというほどの荷物が、結び目からはみ出してきた。


+++作戦成功+++


このごろ家に戻ることが多くなった。
元々家は煮詰まったときだとか、一人になりたいとき、はっきり言ってしまえば「真選組」の「副長」で居たくない時のために借りたもので、最初のころは週に一・二度寄り付く程度だった。
それが今では緊急の用事がない限りはこちらに戻ってくるようになっている。

理由は簡単だ。

自分以外の人間が何か悪さをやらかしては居ないか監視するためである。
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