*Shiki*
□第3話
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ハルキは心配だった。
「このシキって世界には、美味しい食べ物はあるの?」
食事に関して。
「ラーメンはある? 肉じゃがは? お蕎麦は?」
「そんなもの聞いたことないな」
「うわぁん、なんてこったい」
ハルキは地面に膝を着けて落ち込んだ。
「神様、ボクはあなたを恨みますよ! ラーメンも肉じゃがもお蕎麦もない世界なんて滅びてしまえ! っていうかそんなの自分で料理すればいいんだけどね!」
ハルキは料理が得意だ。
ハルキが暮らしていた施設には、孤児がたくさんいた。
大半は小学生かそうでないかの年齢で、自分は年上のお兄さんとしてその子達に料理を作ってあげていた。そうしているうちに料理の腕が上がっていたのだった。